 
フードコーディネーター、フードクリエーターとして、
数多くの食に関するイベント・レシピなどを
手がける食の専門家。
☆こちらのコラムにて掲載のコラムは月刊フーガにて、
「食あれば楽あり」として連載された原稿を掲載したものです。 |
油伝味噌
歴史に育まれた老舗の味と和みの空
栃木市内の裏通りの一角、そこだけが不思議と時の流れ(時間)が止まっている。220年という永い年月を耐え抜いた漆喰の蔵造りの建物が今もなお存在していた。
ここ油伝味噌は老舗の味噌の醸造元である。名前のごとく昔は油を売っていたそうだ。懐かしい古民家のたたずまい、歴史が語りかける古木の梁や土間、障子越しの柔らかな光、古いものすべてが与えてくれるあたたかい温もりに包まれる心地よさ。
そこでこだわりの味噌田楽をいただくから、いっそう味わい深くなる。
味噌を知り尽くした店主が創り出す田楽味噌は、秘伝の味付けに胡麻や唐辛子、柚子などを加え、味噌の風味を生かした甘すぎず辛すぎない絶品の味である。
三種類の田楽味噌で味わう厳選されたさといもに豆腐やこんにゃく、炙った味噌が何とも香ばしい米粉で作った「伝兵衛もち」、地酒で愉しむも良し、甘酒でおやつ替わりにいただくのも良し、シンプルだからこそ素材のおいしさを十二分に味わえるのだ。
予約をすれば、特別に味噌焼きおにぎりも味わうこともできる。
それから敷地の片隅にある水琴屈が奏でる儚くも美しい音色にもぜひ耳を傾けてほしい。蔵の栃木の「観て味わって聴く」五感で愉しめる何とも贅沢な場所である。
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ACCESSMAP
栃木市嘉右衛門5-27
TEL.0282-22-3251
営業時間/10:30〜17:00
定休日/なし |
《番外編》
栃木市に行ったらぜひ立ち寄って欲しいのが漬物の「本沢屋」、めずらしいねぎの漬物「ひともじ漬」はおすすめの逸品だ。
●栃木市倭町一二-二
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